逃走中、複数回着替え＝追跡逃れる狙いか―高齢者施設の女性死亡・警視庁

　東京都北区浮間の特別養護老人ホーム「浮間こひつじ園」で入所者の山野辺陽子さん（９２）が死亡した事件で、逮捕された施設職員の菊池隆容疑者（５０）が逃走中に複数回、着替えていたことが２６日、警視庁捜査１課への取材で分かった。同課は追跡を逃れる狙いがあったとみて調べる。 　同課によると、菊池容疑者は１５日午後１０時～１６日午前１時ごろ、山野辺さんに暴行して施設から逃走。１６日午前２時半ごろ、リュックサックを持って渋谷区のコンビニに立ち寄り、現金約８０万円を引き出した。 　その後、台東区の入浴施設を訪れ、同６時半ごろに退館する際は白いＴシャツを着ていた。この日は、ほかに紺色の半袖や白い長袖など複数のシャツを着た同容疑者の姿が駅などで確認されているという。 　茨城県つくば市で新しいリュック、福島県いわき市でスニーカーも購入しており、服装や所持品を何度も替えていたとみられる。 　２５日に札幌市で逮捕された際は、白い帽子をかぶっていた。黒いショルダーバッグのほか、刃渡り１０センチのナイフ１本や現金約５０万円が入った財布を持っていた。 　クレジットカードやスマートフォンは所持しておらず、逃走中に購入した列車の切符や衣類はすべて現金で買ったとみられる。 　菊池容疑者は施設内で山野辺さんの顔を殴るなどして殺害したとして逮捕され、東京都内に移送された。警視庁は同容疑者を指名手配し、顔写真を公開するなどして行方を追っていた。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕特別養護老人ホームの入所者が死亡した事件で、逮捕され移送される菊池隆容疑者（中央）＝２６日未明、東京・羽田空港