特殊詐欺グループへ番号提供＝ほう助容疑で男ら逮捕―岐阜県警など

　インターネット回線を使ったＩＰ電話の番号を、犯罪に使われると知りながら特殊詐欺グループに提供したとして、岐阜県警と警視庁は２０日までに、電子計算機使用詐欺ほう助の疑いで、電気通信会社「アシストライズ」（東京都千代田区）の実質的経営者大堤康至容疑者（５１）＝千葉県習志野市＝と代表佐々木式部容疑者（５５）＝荒川区＝ら同社関係者９人を逮捕した。認否を明らかにしていない。 　逮捕容疑では９人は共謀の上、詐欺グループがＩＰ電話を還付金詐欺に利用していると知りながら昨年１０月３１日～１１月１日、回線サービスを提供し、岐阜県岐南町の６０代女性から約５０万円をだまし取るのを手助けした疑い。 　県警や捜査関係者によると、アシストライズは２０２０年以降、ＮＴＴ東日本と約２５００の回線を契約。うち約２０００を複数の特殊詐欺グループに提供していたとみられる。アシストライズ提供の番号が使われた特殊詐欺の被害者は沖縄県を除く全国にいるとみられ、うち岐阜、東京両都県の被害総額だけで１０億円を超えるという。　 　岐南町の女性宅に掛かってきた電話番号の捜査から同社が浮上し、県警が関係先を家宅捜索するなど捜査を進めていた。（了）【時事通信社】