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望まぬ長期化、世代交代強いる=親の死、活動は子どもらに―拉致家族会・日朝首脳会談20年


 北朝鮮が日本人の拉致を認めた日朝首脳会談から17日で20年。被害者家族らでつくる「家族会」は今年3月で結成25年を迎え、親世代の中には高齢や病気のため、再会を果たせずに亡くなった人もいる。会は活動の中核を担うメンバーの世代交代を強いられ、家族らは「何代先までつらい思いをしないといけないのか」と不安を口にする。  「子どもの世代まで、こんな問題をやるべきじゃない」。拉致被害者の横田めぐみさん=拉致当時(13)=の母早紀江さん(86)は息子で家族会代表の拓也さん(54)に事あるごとに伝えていた。  しかし拉致問題は長期化し、拓也さんは昨年12月、3代目代表に就任した。初代は2020年6月に亡くなった父滋さん。拓也さんはかつて、身を粉にして救出を訴え続けた滋さんの体を心配し、「会えるとなった時に、体を壊してめぐみに会えなかったら本末転倒だ」と声を掛けていた。だが滋さんは「できることはやる」「絶対に諦めない」と答え、家族会のメンバーらと国内外を回り続けた。  生活を犠牲に親子2代で家族会を導く立場になったことに、早紀江さんは「こんなことは許されない」と話す。ただ拓也さんは、国内外での活動に親の世代はもう体が持たないと悟る。「家族会の代表になった以上、父が言っていたようにやれることがあればやるしかない」と語った。  田口八重子さん=拉致当時(22)=の長男で家族会事務局長の飯塚耕一郎さん(45)も「これ以上時間をかけたくない」と危機感を募らせる。耕一郎さんは昨年12月、息子として育ててくれた八重子さんの兄で前家族会代表の繁雄さんを83歳で亡くした。直前に事務局長に就任していた。  子ども世代が家族会の中心となりつつある現実に、増元るみ子さん=拉致当時(24)=の弟照明さん(66)は「飯塚繁雄さんも横田滋さんも『子どもたちにこの運動を引き継ぐことはできない』と言っていた」と明かす。「こんなに時間がかかるとは思っていなかった。自分たちの代で解決すると考えていたはずだ」。照明さんは2人の思いを推し量った。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕飯塚繁雄さんの「お別れ会」で献花する家族会の横田拓也代表=3月12日、東京都千代田区 〔写真説明〕飯塚繁雄さんの「お別れ会」で、あいさつする家族会事務局長の飯塚耕一郎さん(右)=3月12日午後、東京都千代田区
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