ウクライナ、北東部イジューム進軍＝ロシアも「撤退」認める

　侵攻したロシア軍に反転攻勢を続けるウクライナ軍が、今春から占領されていた北東部ハリコフ州イジュームに入ったもようだ。ウクライナ軍部隊が市の標識の前で青黄２色の国旗を掲げる動画が１０日、インターネット上で広まったほか、親ロシア派幹部やロシア国営テレビ従軍記者も「撤退」を認めた。 　イジュームは州都ハリコフと東部ドネツク州を結ぶ幹線道路が通る交通の要衝。ウクライナ軍は今月に入ってからハリコフ州で攻勢を強めており、ロシア軍が３月末に北部キーウ（キエフ）州などから撤退して以来の大きな戦果が出ているという見方がある。イジュームに近いハリコフ州バラクレヤがほぼ「解放」されたとウクライナ軍幹部が宣言する動画も１０日に公表された。 　一方、これまでハリコフ州の苦戦に言及してこなかったロシア国防省は１０日、ドネツク州を解放するため「バラクレヤとイジュームの部隊の配置転換を行った」と発表し、撤退を事実上認めた。ロシア側は３月末にキーウ州から撤退時に「作戦縮小」、黒海に浮かぶズメイヌイ島を手放す際も「善意の印」と説明し、敗北というニュアンスを避けている。　【時事通信社】 〔写真説明〕１０日、ウクライナ北東部ハリコフ州バラクレヤの広場に掲げられたウクライナ国旗（ＡＦＰ時事）