文書採択か決裂か＝草案から「先制不使用」削除―ぎりぎりの交渉続く・ＮＰＴ最終日

　【ニューヨーク時事】ニューヨークの国連本部で開催中の核拡散防止条約（ＮＰＴ）再検討会議は２６日午後（日本時間２７日）、約４週間にわたる会期を終え閉幕する。ウクライナ侵攻をめぐるロシアと欧米の対立や、中国の強硬姿勢などが影を落とし、議論はいまだ着地点を見いだせていないが、各国は最終文書採択を「諦めていない」（外交筋）。最終日もぎりぎりの交渉を続ける。 　「核軍縮」「核不拡散」「原子力の平和利用」の主要３委員会からの報告を受け、スラウビネン議長が一本化した最終文書草案は、２２日に初めて加盟各国に配られた。２５日未明に出た改訂版では、核保有国に核兵器の「先制不使用」政策採用を促す記述が削除されるなど、内容が大幅に後退した。 　２０１５年の前回会議に続いて文書採択に至らなければ、１９７０年のＮＰＴ発効以来初めて２回連続の決裂となる。ＮＰＴ体制への信頼が揺るぎかねないだけに、改訂版にはそうした事態の回避に向け、妥協点を探ろうとの思いがにじむ。　【時事通信社】 〔写真説明〕ロシアの大陸間弾道ミサイル（ＩＣＢＭ）＝２００９年５月、モスクワ（ＡＦＰ時事）