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1年余り前に「スポンサー内定」=元理事、AOKI前会長らに伝達―五輪汚職


 東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で、大会組織委員会と紳士服大手AOKIホールディングスがスポンサー契約の締結を発表した1年余り前の2017年夏ごろ、組織委元理事の高橋治之容疑者(78)=受託収賄容疑で逮捕=が、同社前会長の青木拡憲容疑者(83)=贈賄容疑で逮捕=らに対し「スポンサーに内定した」と伝えていた疑いのあることが18日、関係者への取材で分かった。  高橋容疑者はほぼ同時期に専任代理店の電通や担当の組織委マーケティング局に対してもAOKIを推したとみられ、数カ月後に同社側とコンサルタント契約を結び、計5100万円の資金提供を受けていた。東京地検特捜部は、提供された資金がコンサル料に仮装した賄賂だったとみて、詳しい経緯を調べている。   関係者によると、高橋容疑者は特捜部のこれまでの任意聴取に対し、「電通が各社にスポンサーの引き受けを打診したがうまくいかなかった。私が18年夏ごろ青木前会長に頼み、快諾してもらったのでマーケティング局長に伝えた」などと説明。組織委とAOKIは同年10月、下位スポンサーのオフィシャルサポーター契約を締結したと発表した。契約額は5億円だった。  ところが、関係者によると、高橋容疑者は17年1月以降に青木容疑者らから大会スポンサーをはじめとした五輪事業に関して相談を受けるようになり、同年夏ごろには「スポンサーに内定した」などと伝えていたという。この時期、電通や組織委マーケティング局にもAOKIが引き受ける意向があると伝えたとみられ、こうした双方へのやりとりの中でスポンサー料も決まったという。  高橋容疑者は17年9月、AOKI側とコンサル契約を締結。翌10月以降に自身が会長を務める「コモンズ」を通じて月100万円、五輪閉幕後は月50万円を受領し、22年3月までに計5100万円を得ていた。  特捜部はスポンサー選定などで便宜を図った賄賂だったと判断して逮捕したが、高橋容疑者はその後の調べに「コンサル料は正当なもので、五輪とは関係ない」などと供述し、容疑を否認しているという。(了)【時事通信社】
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