飲食チェーンが控訴取り下げ＝コロナ時短命令、一審「違法」確定

　新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づき、東京都から営業時間短縮命令を受けた飲食チェーン「グローバルダイニング」が都に損害賠償を求めた訴訟の控訴審第１回口頭弁論が１６日、東京高裁（鹿子木康裁判長）であり、原告側が控訴を取り下げた。 　一審東京地裁は５月、時短命令を違法と判断しつつ、同社の請求を棄却していた。長谷川耕造社長（７２）は記者会見し「コロナの経済的ダメージから平常化に向かって行政も動き始めた中で、違法判決を確定させるのは意義がある」と語った。 　同社側弁護団によると、控訴審で求めていた小池百合子知事らの証人尋問の採否が決まらず、訴訟が長期化する見通しになったため、控訴を取り下げたという。　 　一審判決は、昨年３月に出された都の時短命令について、他に２０００店余りが要請に応じない中、緊急事態宣言の解除３日前に出された点を踏まえ「命令は特に必要と認められず、違法」と指摘。一方、有識者がこぞって命令の必要性を訴えていたことから、都側の過失は認めなかった。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕記者会見する飲食チェーン「グローバルダイニング」の長谷川耕造社長＝１６日午後、東京都千代田区