国軍、ＡＳＥＡＮの民主派接近警戒＝マレーシアの呼び掛けに反発―ミャンマー

　【バンコク時事】ミャンマーでクーデターを起こし、権力を握った国軍が民主派と東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）の接近に警戒を強めている。ＡＳＥＡＮが民主派と関わりを深めれば、国軍支配の既成事実化というもくろみは崩れかねず、焦りを募らせている。 　ＡＳＥＡＮと民主派の関係強化はマレーシアのサイフディン外相が呼び掛けた。訪問先のバンコクで１０日、記者団に「ＡＳＥＡＮは国軍としか関わっていない」と述べ、ミャンマー国民を支援するためにも、民主派が設置した「国民統一政府」に関与するよう促した。 　市民弾圧を続ける国軍に厳しい姿勢で臨むサイフディン氏は、国民統一政府側の「外相」と面会するなど民主派と関係を深めている。国軍はサイフディン氏の発言を「あからさまな内政干渉の試み」と非難し、「非合法組織」である民主派に「テロ行為をけしかけている」と反発。ＡＳＥＡＮ憲章や国連憲章に違反していると主張した。 　国軍はサイフディン氏がミャンマーの正常化に向け、ＡＳＥＡＮ域外国に協力を求める可能性に触れた点も批判した。「（各勢力間の仲介に当たる）ＡＳＥＡＮ特使の任務が阻まれる」と訴えるが、欧米など域外からの圧力強化を懸念しているとみられる。　【時事通信社】 〔写真説明〕マレーシアのサイフディン外相＝２０２１年１２月、アンカラ（ＡＦＰ時事）