拉致から４４年でチラシ配り＝市川さん家族ら―鹿児島

　北朝鮮による拉致被害者の市川修一さん＝失踪当時（２３）＝と増元るみ子さん＝同（２４）＝が拉致されてから１２日で４４年となり、修一さんの兄健一さん（７７）と鹿児島県警などが同日、現場近くの鹿児島県日置市内の県道でチラシやマスクを配り、情報提供を呼び掛けた。 　新型コロナウイルス感染拡大の影響で、３年ぶりの参加となった健一さんは、通行する車の運転手らに「（拉致から）４４年になるが進展がない。いい情報があればお願いします」と話し掛け、チラシを手渡した。 　健一さんは「４４年は長い歳月。弟に会いたいです。ただいまという声を聞きたいです」と目に涙を浮かべた。また、政府の対応について「拉致問題は蚊帳の外に置かれているんじゃないか」と懸念を示した。　 　チラシ配布には県警の山田好孝本部長も参加。「問題の解決には一刻の猶予もない」と述べ、風化防止のために広報活動を続ける決意を示した。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕拉致被害者の情報提供を呼び掛ける市川健一さん（右端）＝１２日、鹿児島県日置市