学術会議「国機関」維持へ＝１０日にも臨時総会で提示

　日本学術会議の在り方について、政府が現行の「国の特別の機関」とした組織形態を維持する方向で最終調整を進めていることが８日、分かった。政府側は同日開かれた自民党プロジェクトチーム（ＰＴ）の会合で方針を説明した。政府はＰＴ側の意見も踏まえた上で、１０日にも開かれる学術会議の臨時総会で提案する方針。　 　会合の出席者によると、国の機関を維持する方針は大筋で理解が得られたが、会員の選考方法などに対する意見も多く出され、最終的には座長に一任された。 　学術会議の在り方をめぐる議論は２０２０年１０月、菅義偉首相（当時）が同会議の推薦する会員候補のうち６人の任命を拒否したことをきっかけに浮上。自民党ＰＴは同年末、「独立した新たな組織として再出発すべきだ」として、政府からの独立を提言していた。 　学術会議は２１年４月、「現在の国の機関が役割を果たすのにふさわしく、変更する積極的理由を見いだすのは困難」と結論付けた。政府の有識者懇談会も検討を進め、今年１月に「現在の組織形態が最適なものという確証は得られていない」と指摘していた。（了）【時事通信社】