韓国大統領支持率、２４％＝与党内紛でさらに下落

　【ソウル時事】韓国の世論調査機関「韓国ギャラップ」は５日、尹錫悦大統領の支持率が１週前より４ポイント下落し２４％になったと発表した。与党「国民の力」も２ポイント減の３４％で、尹政権発足後初めて最大野党「共に民主党」（３９％）を下回った。李俊錫代表を解任する動きなど与党の内紛が影響したとみられる。 　７０代以上を除く全世代で尹氏に対する不支持が支持を上回った。１週前にレームダック（死に体）化の指標とされる３０％を切ったが、さらなる下落で尹政権は危機感を強めている。 　与党では今週に入り、「非常事態」だとして現在の指導部を解散し、非常対策委員会を設置する手続きが進んでいる。人心一新を図る目的のほかに、７月８日に性的接待疑惑に絡んで党員資格停止６カ月の懲戒処分を受けたものの辞任を拒否している李代表を解任する狙いもある。 　李氏は非常対策委設置の動きに反発。尹氏の最近の発言を批判したり、尹氏側近勢力を「政権が危機になれば真っ先に逃げ出す」と攻撃したりする言動が目立ち始めた。李氏は若年男性層に根強い支持があり、インターネット交流サイト（ＳＮＳ）などを通じた発信力に定評がある。もともと尹氏と関係がぎくしゃくしていた李氏が「反尹錫悦」を鮮明にすれば、政権にはさらなる打撃となる。 　与党内からは「このままでは官僚が政権の言うことを聞かなくなる」（ベテラン議員）と、大統領府高官の人事刷新など、局面転換を図る措置を求める声も相次いでいる。　【時事通信社】 〔写真説明〕韓国の尹錫悦大統領＝７月２９日、ソウル（ＥＰＡ時事）