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住宅街でサル襲撃、58人けが=複数か、網戸開け侵入も―山口


 山口市小郡の住宅街で、人がサルに襲われる被害が相次いでいる。27日正午までに、かみつかれるなどして58人がけがをした。麻酔銃で1匹が捕獲された後も被害は続いており、市は人を襲うサルが複数匹いるとみて警戒を強めている。
 最初に被害が出たのは8日。家の網戸を開けて侵入したサルが、乳児の足を引っかいた。当初は昼寝中の保育園児や小学生、高齢者が標的となったが、次第に成人男性も襲われるようになった。重傷者はいないものの、山口県自然保護課の担当者は「凶暴化してきた」と危機感を示す。
 草むしり中に背後から襲われた80代男性はくわで追い払おうとしたが、一瞬で背中から脇腹にかけて10カ所ほどの傷を負った。「武器がなければもっとやられていたかもしれない。いつどこに出るか分からず不安だ」と訴えた。
 被害を受け、市は県警などと早朝からパトロールを実施し、わなも設置した。26日には委託業者が麻酔銃で1匹を捕獲して殺処分したが、その後も襲撃は続いている。何度もサルを目撃したという女性は「色が明らかに違うサルが少なくとも2匹いた」と話した。
 襲撃時は1匹なので、市は群れからはぐれたサルが被害を起こしていると推測している。家の網戸を突き破って侵入する例もあるため、住民に戸締まりの徹底を呼び掛けているほか、見掛けても目を合わせずに逃げ、通報するよう求めている。市担当者は「えさに執着する様子がなく、わなにも掛からない。粘り強く対応を続けていくしかない」と語った。 (了)
【時事通信社】
〔写真説明〕男性がサルに襲われた果物畑=26日午後、山口市
〔写真説明〕サルによる被害が相次いでいる住宅街=26日午後、山口市
〔写真説明〕定点カメラで撮影されたサル(山口市提供)
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