海洋放出設備「対策実施で安全」＝原発処理水めぐり報告書―福島県など

　東京電力福島第１原発から出る放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出について、福島県と原発立地自治体でつくる原発安全確保技術検討会は２６日、放出に必要な設備新設などを盛り込んだ東電の計画に対する「確認結果報告書」を取りまとめた。報告書は「原子力規制委員会が認可していることに加え、東電が検討会などで示した安全対策を確実に実施することで、周辺地域の安全は確保される」と結論付けた。 　東電が処理水の海洋放出に必要な設備の設置工事を行うには、安全協定に基づき地元自治体の「事前了解」が必要。取りまとめた報告書は、県と双葉、大熊両町に提出され、知事と両町長がそれぞれ事前了解するか判断する。　 　検討会では４回にわたり、東電担当者や有識者を交え計画内容について議論し、新設される設備の安全性に問題がないか確認を進めてきた。報告書には、計画実行に当たり設備の長期運用が想定されるとして、東電に対し処理水の適切な運用管理や、分かりやすい情報発信など８項目の要求事項も盛り込まれた。（了）【時事通信社】