桜島、警戒レベル５続く＝火口３キロ以内の住民避難―２４日と同程度の噴火可能性

　気象庁は２５日、鹿児島市・桜島では山体が膨張した状態が続いていると発表し、噴火警戒レベル５（避難）を継続した。大規模な噴火が起きる兆候は見られないが、２４日夜と同程度の噴火が起きる可能性があり、南岳山頂火口やその東側の昭和火口から３キロ以内は大きな噴石、２キロ以内は火砕流に警戒が必要。鹿児島市の避難指示により、３キロ以内の住民避難が続いた。　
　南岳山頂火口では２４日午後８時５分に爆発的噴火が発生し、大きな噴石が東へ約２．５キロ先まで飛散。飛散距離が噴火警戒レベル５の基準である２．４キロを超えたため、気象庁は噴火速報を発表し、レベル３（入山規制）から５に引き上げた。火口３キロ以内にある有村町の全域と古里町の一部計３３世帯５１人に避難指示が出され、同日中に避難が完了した。
　山体膨張は１８日午前９時ごろからわずかに観測され始めた。２０日午後３時ごろから停滞傾向だが、２４日夜の噴火後も解消されず、気象庁の中辻剛火山監視課長は「厳重に監視していきたい」と話した。２５日のヘリコプター観測では、南岳東斜面の状況は以前と比べて特段の変化はなかった。２５日も時々、比較的小規模な噴火が発生したが、火山性地震は少ないという。
　噴火警戒レベルは２００７年に導入され、レベル５は１５年の鹿児島県・口永良部島の新岳噴火に続き、２例目。桜島のレベル５の引き下げは、基準を超える噴火が３日間発生しないことが条件とされる。（了）
【時事通信社】
〔写真説明〕爆発的噴火から一夜明けた桜島＝２５日、鹿児島市