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乗客家族「苦しさ消えず」=知床観光船事故3カ月、犠牲者悼む―北海道


 北海道・知床半島沖で26人が乗った観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故は23日、発生から3カ月となった。乗客の家族は「苦しさは消えない」と悲しみと憤りを抱え、地元の斜里町関係者からは犠牲者を悼む声が聞かれた。
 「いまだに苦しい。奪われた命を返してほしい」。事故で20代の親戚を亡くした北海道の男性は涙ながらに訴えた。運航会社「知床遊覧船」(斜里町)に対し「憤りしか感じない」と声を荒らげ、同社を指導監督する立場にある国土交通省にも「事故を防ぐきっかけはいくらでもあったのでは。全てが後手後手に感じる」と指摘。「すさまじい悲しみで、精神的に壊れてしまいそう」と言葉を詰まらせた。
 事故の犠牲者を悼むため、斜里町役場に置かれた献花台には、現在も花を手向けに多くの人が訪れている。地元で民宿を営む松田賢一さん(71)は「同じ観光事業者として忘れない」という気持ちから23日に献花した。乗客の中に宿泊客として面識のあった人がいたといい、「楽しみに来ただけで何の罪もない人が事故に遭ってしまい、つらい。事業者が本当に腹立たしい」と厳しい表情で語った。
 事故発生直後から対応に当たった同町の増田泰総務部長は「いまだ行方不明の方もおり、乗客のご家族は先が見えないつらい思いのままだ。3カ月たったが、区切りを付けられる状況ではない」と悲痛な表情を浮かべた。「ここで事故が起きてしまった責任も感じている。安全な観光地づくりに努めるのがわれわれの役目」と話した。
 事故は4月23日に発生。14人の死亡が確認され、12人が行方不明となっている。乗船者とみられる2人の遺体が北方領土・国後島で、1人の遺体がロシア・サハリンでそれぞれ見つかり、日本側は引き渡しを求めているが、ロシア側との調整は難航し、両政府間で協議が続いている。 (了)
【時事通信社】
〔写真説明〕観光船事故発生から3カ月となり、献花台で手を合わせる男性=23日午前、北海道斜里町
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