中村梅玉さん人間国宝に＝野村峰山さんらも―文化審

　文化審議会（佐藤信会長）は２２日、重要無形文化財保持者（人間国宝）に歌舞伎立役の中村梅玉さん（７５）＝本名・河村順之＝や、尺八の野村峰山さん（６５）＝本名・野村正也＝ら５人を認定するよう、末松信介文部科学相に答申した。秋にも答申通り認定され、人間国宝は１１０人になる。
　ほかに選ばれたのは、義太夫節三味線の鶴澤津賀寿さん（６４）＝本名・立花繭子＝、能シテ方の大坪喜美雄さん（７５）＝本名・大坪近司＝、長唄唄の杵屋東成さん（７３）＝本名・石川公一＝。　
　中村さんは、１９５５年に歌舞伎女形の六代目中村歌右衛門（後の人間国宝）の養子となり、幼少の頃から舞台経験を積んだ。９２年には江戸時代の先祖三代目中村歌右衛門の俳名である梅玉の名跡を襲名。品位や威厳ある貴人の役に秀で高い評価を得ている。
　野村さんは、伝統的な尺八の演奏技法を高度に体現する演奏家として活躍。作曲にも力量を発揮し、多くの作品を世に出している。
　また文化審は、文化財保存に不可欠な「選定保存技術」の保持者に、竹くぎ製作の石塚直幸さん（４８）＝兵庫県丹波市＝、表装漆塗りの新木郁雄さん（４７）＝京都市＝、建造物漆塗りの佐藤則武さん（７３）＝栃木県日光市＝ら６人を認定するよう答申した。（了）
【時事通信社】
〔写真説明〕人間国宝に認定答申された歌舞伎立役の中村梅玉氏（文化庁提供）
〔写真説明〕人間国宝に認定答申された尺八の野村峰山氏（文化庁提供）
〔写真説明〕人間国宝に認定答申された義太夫節三味線の鶴澤津賀寿氏（文化庁提供、撮影：山之内雅信）
〔写真説明〕人間国宝に認定答申された能シテ方の大坪喜美雄氏（文化庁提供）
〔写真説明〕人間国宝に認定答申された長唄唄の杵屋東成氏（文化庁提供）