「どうか見守っていて」＝スタジオ跡地で追悼式―京アニ放火事件から３年

　アニメ制作会社「京都アニメーション」第１スタジオ（京都市伏見区）が放火され、３６人が死亡、３２人が重軽傷を負った事件から３年となった１８日、現場のスタジオ跡地で同社主催の追悼式が営まれた。遺族や八田英明社長ら約１２０人が参列し、犠牲者の冥福を祈った。 　式は午前１０時半ごろから始まり、参列者は黙とうをささげた。同社社員は弔辞で「これからしなければならないことは、みんなが作ってくれた世界を一日も早く作り直すことだと考えています。どうか見守っていてください」と述べた。 　事件で娘を亡くした母親は「残された家族は日々、あなた方との思い出を胸に、泣いたり笑ったりしながら少しずつ前を向いて頑張っています。どうか安心して見ていてください」と追悼の辞を述べた。　 　事件は２０１９年７月１８日に発生。スタジオにガソリンをまいて放火したなどとして、殺人などの罪で青葉真司被告（４４）が起訴された。同被告の公判のめどは立っていない。 　近隣住民への配慮や新型コロナウイルス感染症対策から、同社は式に合わせたファンらの現地訪問を控えるよう呼び掛けた。式の開催時刻には、遺族らがメッセージを寄せた追悼動画が投稿サイト「ユーチューブ」で公開された。 　事件で同社は、アニメ制作を支えてきたベテランを多く失った。その後新人採用を進め、現在の社員数は約１９０人。負傷した社員も一部は職場復帰している。八田社長はスタジオ跡地について「具体的な活用方針の検討を進めている」と説明している。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕放火されたアニメ制作会社「京都アニメーション」第１スタジオ跡地で行われた同社主催の追悼式（京都アニメーション提供） 〔写真説明〕京都アニメーション放火殺人事件発生から３年を迎え、追悼式に臨む京都アニメーションの八田英明社長（右）＝１８日午前、京都市（代表撮影）