starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

にじむ実利優先=バイデン氏、石油増産に期待―サウジ皇太子と初会談


 【カイロ時事】バイデン米大統領は15日、訪問先のサウジアラビアでムハンマド皇太子と会談し、冷え込んでいた両国関係の修復に乗り出した。背景には、高騰したガソリン価格を引き下げたいバイデン氏と、関係強化を目指す皇太子の思惑が一致したことがある。だが、サウジ人記者殺害をめぐる双方の主張は平行線のままで、信頼関係の構築には険しい道のりが待ち受ける。  ◇侵攻で一変  「米国への(石油)供給を増やすため、できることはすべてしている」。バイデン氏は15日夜、会談後の記者会見で、こう強調した。  2018年のサウジ人記者ジャマル・カショギ氏の殺害事件をめぐり、バイデン政権は昨年2月、皇太子の関与を示す報告書を発表。人権を重視するバイデン氏は大統領選中から、サウジを国際社会の「のけ者」にすると訴え、就任後もサルマン国王との対話を優先。実権を握る皇太子を冷遇したため、双方の溝は深まった。  だが、2月のウクライナ侵攻で情勢は一変した。11月の中間選挙が近づく中、ガソリン価格安定の必要性に迫られたバイデン氏は実利を優先し、世界有数の産油国のサウジに接近した。バイデン氏の言葉からは、人権面で問題を抱える皇太子とさえ会談することで、事態打開を図ろうとする決意がにじむ。  ◇関係修復アピール  バイデン氏はカショギ氏の事件に関し、「会談の最初に取り上げた。彼(皇太子)に責任があると指摘した」と記者団に明かした。「のけ者」発言についても「後悔はない。カショギ氏に起きたことは暴挙だ」と述べ、人権重視の姿勢に変わりないことを強調した。  米ワシントン・ポスト紙によると、事件を持ち出したバイデン氏に対し、皇太子は「率直さを歓迎する。われわれが前進する方法だからだ」と応じた。人権問題が提起されても関係修復の障害にはならないとの認識を示したとみられる。  実際、サウジ国営メディアはバイデン氏の訪問や会談を写真や映像で大々的に報じ、関係改善をアピール。各国から非難を浴びていた皇太子の「国際社会への復帰」を強く印象付けた。  ◇試される皇太子  日本エネルギー経済研究所中東研究センター長の保坂修司氏は、バイデン氏との会談を実現させた皇太子について「国王就任への道に落ちていた石」がなくなったとし、王位継承をより強固にしたと分析する。「脱石油」を目指して経済改革を進める皇太子にとって、米国の技術協力は欠かせず、防衛力強化でも米国頼みは続く。  サウジ国営メディアによると、米サウジ両国はエネルギー市場の安定化に取り組むことを確認した。増産が実現しなければ会談を強行したバイデン氏への批判が一層強まるのは必至で、皇太子がどこまで期待に応えるのか米側は注視している。 【時事通信社】 〔写真説明〕15日、サウジアラビア西部ジッダで会ったムハンマド皇太子(右)とバイデン米大統領(EPA時事)
    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.