北朝鮮、コロナ後遺症ガイド作成＝「収束局面」主張、統計に疑問の声も

　【ソウル時事】朝鮮中央通信は１１日、北朝鮮の保健当局が新型コロナウイルスの「後遺症治療案内書」を作成し、担当機関に配布したと報じた。「伝染病危機を最終的に解消する」段階として、感染が収束局面に入ったとの認識を示したが、実態は不明だ。 　同通信は「変異株オミクロンの感染を経験した人の中で、さまざまな後遺症が発生している」と指摘。当局が病院の専門家を集め、症状や治療方法などをまとめたと説明した。 　１０日夕まで２４時間の新たな発熱者が約１２４０人で、累計が人口の１８％超に当たる約４７６万７６６０人になったとも報じた。５月中旬には１日の発熱者が約３９万２９２０人に上ったが、減少傾向にあると主張している。 　ただ、北朝鮮が公表する統計をめぐっては、正確性を疑問視する声が強い。韓国の権寧世統一相は先月、外国記者との会見で「北朝鮮公式メディアが発表する新型コロナの状況は、他国での進展と全く異なり少し疑問がある」と指摘した。 　韓国の聯合ニュースは、発熱者のうち死者の累計を７４人とする北朝鮮の発表について「途方もなく少なく、統計を信頼するのは難しい」と疑問を投げ掛けた。韓国の情報機関国家情報院は、発熱者に新型コロナ以外の感染者が含まれると分析している。　【時事通信社】