集合住宅、がれきの山に＝ドネツク州で１５人死亡―ウクライナ

　ウクライナ非常事態庁によると、東部ドネツク州チャソフヤルで９日夜に起きたロシア軍の攻撃で、倒壊した集合住宅の死者が少なくとも１５人に上った。住宅は５階建てで、一角ががれきの山と化した。取り残された人の捜索作業が続いており、犠牲者は増える恐れもある。 　同庁が公開した動画によれば、着弾から一夜明けた１０日、現場では救助隊員らが重機や手作業でがれきをかき分けた。 　ドネツク州のキリレンコ知事は「多連装ロケット砲」が撃ち込まれたとの見方を示すが、ロシア国防省は「爆撃機のミサイルにより、米国が供与した榴弾（りゅうだん）砲を破壊した」と主張している。 　一方、英国防省は１０日付の戦況報告で、ロシア軍は北東部ハリコフ州イジュムとドネツク州バフムトを結ぶ自動車道路を掌握しようと、沿道に砲撃を加えていると指摘した。優位な戦力を生かしてこの道路まで前線を移動させ、その先にあるドネツク州の事実上の州都クラマトルスクに迫る作戦とみられる。 　集合住宅が倒壊したチャソフヤルは、バフムト近郊に位置する。　【時事通信社】 〔写真説明〕１０日、ウクライナ東部ドネツク州チャソフヤルで、ロシア軍の攻撃により倒壊した集合住宅（ＡＦＰ時事）