メッカ大巡礼がピーク＝コロナ制限緩和、１００万人受け入れ―サウジ

　【カイロ時事】サウジアラビア西部のイスラム教の聖地メッカを訪れる大巡礼（ハッジ）は８日、預言者ムハンマドが最後の説教をしたとされるメッカ近郊アラファト山で巡礼者が祈りをささげる最も重要な日を迎えた。サウジ政府は新型コロナウイルス感染拡大の影響で過去２年は国内の信徒に限り、人数を大幅に制限。今年は国外者８５万人を含む計１００万人まで拡大し、久しぶりのにぎわいを見せている。 　ハッジは、イスラム教徒の果たすべき五つの義務の一つ。財力や体力のある信徒は一生に一度は行うものとされる。 　別の巡礼と合わせた経済効果は石油を除いた国内総生産（ＧＤＰ）の約２０％に上るといわれ、サウジにとって外貨獲得の重要な手段でもある。 　コロナ禍前は例年２００万人以上が訪れていたが、２０２０年から国外受け入れを中止し、２１年はワクチン接種などを条件に６万人に制限した。一方で今回は、６５歳以下でワクチン接種済みの人を対象に人数を大幅に増やし、国外からの受け入れも再開した。国外者は入国前の陰性証明が必須。メッカの「聖モスク」でのマスク着用といった対策も求められる。　【時事通信社】 〔写真説明〕８日、サウジアラビアのイスラム教聖地メッカ近郊にあるアラファト山に集まった巡礼者（ロイター時事）