中国、フィリピンに秋波＝王外相が新大統領と会談

　【北京時事】中国の王毅国務委員兼外相は６日、訪問先のマニラでフィリピンのマルコス新大統領と会談し、両国関係の新たな「黄金時代」を切り開きたいと秋波を送った。南シナ海をめぐっては「個別の係争が両国協力を邪魔してはならない」と訴え、マルコス氏は「南シナ海問題は比中関係の中心でなく、両国協力を制限・阻害すべきではない」と応じた。中国外務省が発表した。 　マルコス氏は前政権の対中融和姿勢の転換を示唆していたが、王氏がつなぎ止めを図った形だ。インドネシアでの米中外相会談を前に、フィリピンをはじめ東南アジア諸国に接近するバイデン米政権をけん制する狙いも透ける。 　王氏はマルコス氏との会談で、「双方は対話や意思疎通を強化し、敏感な問題を適切に処理すべきだ」と強調。農業、インフラ、エネルギー分野などでの中国からの重点的な協力を提案した。　【時事通信社】 〔写真説明〕６日、マニラでフィリピンのマルコス大統領（右）と会談する中国の王毅国務委員兼外相（比大統領府提供）（ＥＰＡ時事）