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英首相「瀬戸際」に=2閣僚辞任、与党の離反拡大―ジョンソン氏は続投表明


 【ロンドン時事】英政府の主要閣僚2人が5日、ジョンソン首相の指導力を問題視し相次いで辞任した。新型コロナウイルス規制違反の官邸パーティー問題で各方面から批判を受けている首相にとって、「命取り」になりかねない深刻な事態。与党保守党内の首相離反が勢いづくのは必至で、ジョンソン氏は「辞任の瀬戸際」(タイムズ紙)に追い詰められているが、同氏は改めて続投を表明した。  辞任したスナク財務相とジャビド保健相は、それぞれ辞表で「このままでは続けられない」「あなた(首相)の指揮下では状況は変わらない」と述べ、首相の統治能力や信頼性に疑問を呈した。首相はパーティー問題に加え、最近は性的不品行で辞任した院内副幹事長の任命責任を追及されて説明が二転三転、混乱を招いていた。  首相をめぐっては先月上旬、保守党の信任投票が行われ、辛うじて辞任を免れたものの党所属議員の約4割が不信任を突き付けた。同月下旬の下院2補選では与党が全敗し、首相の責任を問う声が増大。こうした中、政権運営の中核を担ってきた閣僚2人が反旗を翻したことは、「致命的になり得る打撃」(フィナンシャル・タイムズ紙)だ。与党議員の1人は「首相は夏までもたない」と断言した。  6日行われた下院質疑では、与野党双方から首相批判が噴出した。ジャビド氏は「問題がトップから始まったのなら事態は変わらない。もう十分だ」と不満を表明。与党議員の1人は「どういう状況であれば首相は辞めるのか」と公然と迫った。一方、ジョンソン氏は「困難の中で巨大な任務を与えられた首相がすべきことは、職務を続行することだ」と述べ、退陣要求を突き放した。  今のところ閣僚の大半は首相支持の立場だ。しかし、首相の求心力はますます低下しており両閣僚の辞任を受け、19人が政府や党の役職を退いたと伝えられた。今後も政府高官や与党幹部の辞任が連鎖的に続く可能性がある。 【時事通信社】 〔写真説明〕ジョンソン英首相=3月29日、ロンドン(AFP時事)
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