脱税容疑で産科院長告発＝中絶手術の収入隠す―名古屋国税局

　人工妊娠中絶手術で得た収入の一部を申告せず所得税約３８００万円を脱税したとして、名古屋国税局は５日、所得税法違反容疑で、産婦人科医院「中谷レディースクリニック」（名古屋市天白区）の中谷剛彬院長（８０）を名古屋地検に告発したと発表した。告発は６月３０日付。 　国税局などによると、中谷院長は保険適用外の自由診療となる中絶手術について、収入の一部を申告から除外。２０２０年までの４年間に約１億２３００万円の所得を隠し、所得税約３８００万円を脱税した疑いが持たれている。 　自由診療は全額患者の自己負担で、医療機関は健康保険組合などに請求する必要がない。外部から収入を把握されにくく、脱税に利用されたとみられる。 　中谷院長は取材に告発内容を認め、「すぐばれると思い、いたずら感覚で始めた。調査に全面的に協力し、修正申告の手続きを進めている」と説明。隠した金は高額な医療機器の購入や宴会、旅行などに使ったという。　（了）【時事通信社】