原宿暴走、二審も懲役１８年＝２４歳被告の責任能力認める―東京高裁

　東京・原宿の竹下通りで２０１９年元日、車を暴走させ８人をはねたとして、殺人未遂や殺人予備などの罪に問われた無職日下部和博被告（２４）の控訴審判決が２２日、東京高裁であった。近藤宏子裁判長は「一連の行動は計画的で、完全責任能力があった」と認め、懲役１８年とした一審東京地裁判決を支持し、弁護側の控訴を棄却した。 　弁護側は事件当時、統合失調症により心神喪失状態だったと主張していた。近藤裁判長は「死刑制度は許せないとの犯行動機などの形成過程に相応の影響があったと認められるものの、影響は一定程度にとどまる」と指摘。１年以上前から計画を練り、オウム真理教死刑囚への刑執行を機に周到に準備していたことから、善悪の判断能力、行動制御能力は大きく弱まっていなかったと認定した。　 　判決によると、日下部被告は初詣の参拝客らを無差別に殺害するため火炎放射器のように改造した高圧洗浄機や灯油を用意して、１８年大みそかから明治神宮近くの路上で機会をうかがい、１９年元日の未明に竹下通りで８人を車ではねるなどして重軽傷を負わせた。（了）【時事通信社】