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「姉の死、理由明らかに」=スリランカ女性の遺族訴え―国賠訴訟第1回弁論・名古屋地裁


 名古屋出入国在留管理局の収容施設で昨年3月、スリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=が死亡した問題で、遺族が国に計約1億5600万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が8日、名古屋地裁(佐野信裁判長)であった。原告のウィシュマさんの妹2人が意見陳述し、「なぜ姉が死んだのか理由を明らかにしてほしい」などと訴えた。  国側は請求棄却を求め、次回期日までに具体的主張を明らかにするとした。原告側は「違法な収容を続け、必要な医療を提供しなかった」と主張しており、入管の対応とウィシュマさん死亡の因果関係などが争点になる見通し。  原告側は収容中のウィシュマさんの監視カメラ映像と司法解剖の結果を提出するよう国に求めており、地裁に提出命令を出すよう同日までに申し立てた。  ウィシュマさんの妹のワヨミさん(29)は意見陳述で、「姉はずっと助けを求めていた。日本で人間がどのように扱われ死んだのか、すべての人に(監視カメラの)ビデオを見てほしい」と時折声を詰まらせて訴えた。ポールニマさん(27)は「二度と見殺しにされる人が出ないよう、入管を変えるような判決を書いてほしい」と求めた。  原告側弁護団の児玉晃一弁護士は「文字起こしや静止画では決して分からない。裁判官は真実を知る責務がある」と映像提出を改めて訴えた。  ワヨミさんとポールニマさんは終了後の記者会見で、「正しい判決を出してもらえると信じている」と力を込めた。   訴状によると、ウィシュマさんは2017年に留学のため来日したが、在留期間が過ぎ20年8月に名古屋入管の施設に収容された。21年1月ごろから嘔吐(おうと)を繰り返すなど体調が悪化し、仮放免が認められないまま同3月に死亡した。  出入国在留管理庁は21年8月、調査報告書を公表。医療体制に不備があったと認める一方、入管の対応とウィシュマさんの死亡との関係については明言を避けた。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕名古屋地裁に入るスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんの遺族と弁護団=8日午後、名古屋市中区 〔写真説明〕名古屋地裁での口頭弁論を終え記者会見する、スリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんの妹のワヨミさん(左)とポールニマさん=8日午後、名古屋市中区
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