差し戻し審も懲役１８年＝危険運転罪の成立争点―東名あおり、４人死傷・横浜地裁

　神奈川県大井町の東名高速道路で２０１７年、「あおり運転」で停止させられた乗用車にトラックが追突し一家４人が死傷した事故で、自動車運転処罰法違反（危険運転致死傷）罪などに問われた石橋和歩被告（３０）の差し戻し裁判員裁判の判決が６日、横浜地裁であり、青沼潔裁判長は求刑通り懲役１８年を言い渡した。弁護側は、同罪や予備的訴因の監禁致死傷罪について、無罪を主張していた。 　検察側は論告で、被告車両の位置情報や目撃者らの証言から、石橋被告が高速上で減速などを不自然に繰り返して４回の妨害運転をしたと指摘。危険運転罪の成立は明らかだとした上で、「執拗（しつよう）、悪質な行為で、再犯も懸念される」と主張した。 　弁護側は差し戻し前と同様に、石橋被告の運転と一家４人の死傷の因果関係を否定。目撃者らの証言は一部変遷し信用性が低いと反論し、４回の妨害運転をしたとは言い切れないと訴えた。さらに、事故は追突した大型トラックによる無謀な運転が原因と主張した。 　起訴状によると、石橋被告は１７年６月５日夜、パーキングエリアで萩山嘉久さん＝当時（４５）＝に駐車方法を非難されたことに憤慨し、一家の車の進路をふさぐなどの運転を繰り返して追い越し車線上に停車させ、追突事故を誘発。萩山さん夫妻を死亡させ、娘２人にけがをさせたとされる。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕東名あおり事故で、危険運転致死傷罪に問われている石橋和歩被告＝２０１７年１０月１０日、横浜市