国際医療センター係長を逮捕＝収賄容疑、３８０万円相当受領か―業者選定で権限・警視庁

　独立行政法人「国立病院機構」の運営病院をめぐる汚職事件で、業者から賄賂を受領したとして、警視庁捜査２課は３日、収賄容疑で、国立研究開発法人「国立国際医療研究センター」（東京都新宿区）の総務課係長笠井崇一郎容疑者（３９）＝調布市＝を逮捕した。 　公的な医療機関を舞台に、新たな汚職疑惑が浮上した。同課は贈賄容疑で小松電器社長の松丸隆行容疑者（４３）＝贈賄罪で起訴＝も再逮捕。癒着構造の全容解明に乗り出す。 　笠井容疑者の逮捕容疑は２０１９年３月～２１年１１月ごろ、有利な取り計らいを受けたいとの趣旨と知りながら、松丸容疑者から現金計約２７０万円のほか、家具や飲食接待など計１１０万円相当の賄賂を受領した疑い。 　同センターの職員は「みなし公務員」に該当。笠井容疑者は物品発注時の一般競争入札や随意契約に関し、業者選定の権限を持っていた。　 　警視庁は先月１１日、国立病院機構が運営する下志津病院（千葉県四街道市）の設備工事を受注できるように便宜を図った見返りとして、約９０万円相当の接待を受けたなどとして、収賄容疑で同病院元企画課長安彦昌人被告（６０）＝起訴＝を、贈賄容疑で松丸容疑者を逮捕した。 　同機構は３月、聞き取り調査の結果、松丸容疑者側から接待を受けたり、入札情報を提供したりしていたとして、機構本部と１都７県の１２病院の職員ら２８人を解雇などの処分とした。 　同センターも松丸容疑者側と取引をしていたが、時事通信の取材に対し「具体的な内容は差し控える」としていた。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕国立研究開発法人「国立国際医療研究センター」＝５月３１日、東京都新宿区