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不明12人の捜索難航=知床観光船、つり上げへ―沈没事故、23日で1カ月


 北海道・知床半島沖で26人が乗った観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故は、23日で発生から1カ月。第1管区海上保安本部(小樽市)などは行方不明者の捜索を続けているが、4月28日を最後に、新たな不明者発見には至っていない。専門業者による船体引き揚げ作業は23日から本格化する予定で、水深約120メートルの海底からのつり上げが始まる。  カズワンは早ければ週内にも陸揚げされる見通しで、1管などは船体を詳しく調べ、事故原因の究明を急ぐ。  これまでに乗客14人が救出されたが、いずれも死亡が確認された。1管などは海上や空から残る12人の捜索を続け、国後島周辺海域でも手掛かりを捜す。海上保安庁と契約した専門業者「日本サルヴェージ」が無人潜水機で船内外を調べ、19、20日には高い水圧に体を適応させた潜水士が船内を捜索したが、不明者は発見されなかった。  一方、北方領土の国後島では6日、女性の遺体が発見された。19日には、ロシア側から新たに遺体が見つかったと連絡が入った。近くに運転免許証があり、1管は行方が分からない甲板員との関連を調べている。  潜水士は21日、船体引き揚げに向け障害物を取り除く作業を行った。引き揚げに当たる作業台船「海進」などは荒天で一時、現場海域を離れたが、22日夕に網走港(網走市)を出航。23日に作業を再開し、船体を海面近くまでつり上げ、網走港沖までえい航する予定だ。  早ければ24日にも海進の上に移動させた後、水を抜く作業などを行い、今週内にも陸に揚げる方針。  事故をめぐっては、運航会社「知床遊覧船」(斜里町)の安全管理体制に問題があったとして、国土交通省が海上運送法に基づく特別監査を実施。最も重い行政処分の事業許可取り消しとする方針で、今週中にも桂田精一社長(58)に処分前の聴聞実施を通知するとみられる。1管などは業務上過失致死容疑で同社関係先を家宅捜索しており、桂田社長にも任意で事情を聴き、捜査を進めている。   ◇知床半島沖の観光船事故をめぐる動き 【2016年】 5月           運航会社「知床遊覧船」の社長に桂田精一氏が就任 【2021年】 5月15日        観光船「KAZU I(カズワン)」が海面に浮いたロープと接触する事故。乗客3人が軽傷 6月11日        カズワンが浅瀬に乗り上げる座礁事故。負傷者なし 【2022年】 4月23日午前10時   カズワンが乗客乗員26人を乗せて出航      午後1時    帰港予定時刻になっても戻らず      午後1時13分 カズワンから連絡を受けた別の業者が海上保安庁に通報      午後2時ごろ  カズワンから「船首が30度ほど傾いている」と連絡。その後消息を絶つ      午後4時半ごろ 海保が現場海域で捜索救助活動を開始   24日        海保などが乗客11人を発見、その後死亡を確認              国土交通省が知床遊覧船を特別監査   28日        海上自衛隊などが乗客3人を発見、死亡を確認   29日午前      「カシュニの滝」付近の水深約120メートルの海底で沈没したカズワンの船体が見つかる 5月2、3日       海保が業務上過失致死容疑で知床遊覧船の事務所などを捜索    4日        海保が桂田社長を任意で事情聴取していたことが判明    6日        北方領土・国後島で行方不明の乗客の可能性がある女性遺体を発見    7日        海難事故が専門の民間業者のサルベージ船が沈没現場に到着    8日        無人潜水機による船内外の調査を開始   17日        「飽和潜水」の資機材を載せた作業台船が網走港に到着   19日        飽和潜水を開始              国後島で新たに1人の遺体発見とロシア側から連絡   21日        カズワンの船体引き揚げ準備作業を開始 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕観光船沈没事故で、献花台が設置された施設の窓に張られた行方不明者へのメッセージ=22日午前、北海道斜里町 〔写真説明〕知床半島沖で観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故で、網走港を出る作業台船=22日午後、北海道網走市
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