積水ハウス元会長らの責任認めず＝地面師事件の株主訴訟―大阪地裁

　積水ハウスが土地取引をめぐる詐欺被害で約５５億円の特別損失を計上した「地面師事件」をめぐり、株主が当時社長だった阿部俊則元会長と当時の副社長に賠償を求めた株主代表訴訟の判決が２０日、大阪地裁であった。谷村武則裁判長は「経営判断の裁量範囲にとどまる」として、請求を棄却した。原告側は控訴する方針。 　判決によると、同社は２０１７年４月に東京都千代田区の旅館跡地の売買契約を地面師側と締結。本物の所有者が出した取引を警告する通知書を「妨害工作」と判断し、かえって決済を急いだ。 　谷村裁判長は、阿部氏は通知書が届いた事実を認識する一方で、部下からは「十分な本人確認が行われたことを示す情報ももたらされた」と指摘。契約を中止せず決済の前倒しを了承したのは「著しく不合理とは言えない」とし、同社のリスク管理体制の不備も否定した。 　積水ハウスの話　妥当な判決だと考えている。　（了）【時事通信社】