復帰５０年、平和な沖縄誓う＝岸田首相「基地負担軽減に全力」―２会場で式典、両陛下はオンラインで

　沖縄は１５日、１９７２年に日本本土に復帰してから５０年を迎えた。この半世紀で観光産業を中心に発展を遂げたが、今なお在日米軍専用施設の７割が集中する。東京と沖縄の２会場で同時に記念式典が開かれ、岸田文雄首相は米軍基地の負担軽減を強調し、玉城デニー知事は「平和で豊かな沖縄」の実現を求めた。 　式典は政府と沖縄県が共催し、午後２時から東京都港区のホテルと、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターの２会場をオンラインでつないで実施。沖縄会場には首相や玉城知事らが、東京会場には衆参両院議長や最高裁長官、駐日米国大使らが出席した。天皇、皇后両陛下は皇居・御所からオンラインで出席された。 　首相は式辞で「復帰から５０年がたつ今もなお、沖縄には大きな基地負担を担っていただいていることを重く受け止め、基地負担軽減に全力で取り組む」と強調した。 　玉城知事は「政府と共有した『沖縄を平和の島とする』目標が、５０年たっても達成されていない。政府は、すべての県民が真に幸福を実感できる平和で豊かな沖縄の実現に向けて誠心誠意取り組んでほしい」と訴えた。 　天皇陛下は「これまでの人々の思いと努力が確実に受け継がれ、豊かな未来が沖縄に築かれることを心から願っています」と述べた。　 　太平洋戦争中、沖縄から長崎に向かう途中に撃沈された学童疎開船「対馬丸」の生存者で、対馬丸記念会代表理事の高良政勝さん（８２）が、県民代表としてあいさつ。若者代表の普天間真也さん（３１）と平敷雅さん（２０）も決意を示す。 　記念レセプションでは人間国宝の志田房子さん、宮城幸子さんらによる琉球舞踊や、沖縄県勢初の五輪金メダリストの喜友名諒さんらが空手の演武を披露する。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕沖縄復帰５０年の朝、雨の中、人が行き交う国際通り前の交差点＝１５日午前、那覇市