無人潜水機で船内捜索＝引き揚げ視野に調査―国後島付近に巡視船・知床事故

　北海道・知床半島沖で２６人が乗った観光船「ＫＡＺＵ　Ｉ（カズワン）」が沈没した事故で、海難事故を専門とする民間業者のサルベージ船「新日丸」は９日、無人潜水機を使った調査を実施した。無人潜水機による調査は２日目で、水深約１２０メートルの海底に沈んだ船の内外を調べた。 　新日丸は無人潜水機で行方不明者の捜索を続ける一方、船体の引き揚げに向けた調査も進める。 　第１管区海上保安本部（小樽市）などによると、カズワンは船底を下にした状態で沈没している。８日には無人潜水機が投入され、船体の撮影に成功したが、行方不明者の手掛かりは得られなかった。 　水中カメラを搭載した無人潜水機による調査に加え、特殊な設備で水圧に体を慣らして深い海に潜水士を送ることができる「飽和潜水」も検討。早ければ５月中旬にも始まる見通しという。 　依然として乗客乗員のうち１２人が行方不明となっており、同本部などは９日も航空機と船艇７隻で周辺海域を捜索した。知床半島の北東方向に捜索範囲を広げており、一部の巡視船は国後島付近で活動した。 　事故は先月２３日に発生。これまでに１４人の死亡が確認されている。　（了）【時事通信社】