starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

「父の実績」評価、負の歴史軽視=マルコス氏の支持者像―フィリピン大統領選


 【マニラ時事】5月9日に行われるフィリピン大統領選で、元上院議員のマルコス氏が終盤も優勢を保っている。父は、独裁政治の汚名を持つ故マルコス元大統領。その長男が国家元首になることへ批判もある中、世論調査で6割の支持を得ている。支持者像を探ると「父の実績」を高く評価する一方、負の歴史は重視しない共通項が浮かんだ。  時事通信は3、4月にマルコス氏の支持者10人を取材した。20~60代の男女各5人に対面でインタビューし、支持する理由を聞くと、9人が「父の実績」を挙げた。  母親が入院中の会社員トドロさん(32)は「心臓や肺の専門病院を造ったから」と話し、大学生アマキーさん(21)もインフラ整備を評価した。マルコス政権時の「美化」も目立ち、主婦カリクストさん(40)は「1ペソでコメやパンが買え、映画も鑑賞できたと母から聞いた」と語った。  「(マルコス氏)本人の実績」を考慮したのは2人にとどまった。「他候補を非難しない」マルコス氏の姿勢を7人が称賛しており、候補者討論会の相次ぐ欠席もマイナスに働いていない。  故マルコス元大統領による不正蓄財は、全員が「なかった」と否定。「事実なら収監されているはず」と主張する人が多く、「もともとお金持ち」と考える人もいた。  元大統領による人権侵害が「あった」との認識は8人にあるが、重要視する人はいなかった。「元大統領が命じた証拠はない」と擁護する声の他、会社員ロクシンさん(21)はこう断じた。「大勢が殺害された事実は否定できないが、同じことはもう起きない。時代が違う」  主な情報の入手先として、10人全員がインターネット交流サイト(SNS)を挙げた。テレビは2人、新聞はゼロだった。カリクストさんを含め7人が親や祖父母、配偶者の影響を受けていた。  時事通信の取材を受け、フィリピン大のフランコ教授(政治)は「マルコス氏側が虚偽を混ぜてつくった『権威への懐古』が民心を捉えた」と分析する。支持者の主張について「インフレの概念を無視して物価が低かったと信じている」「収監を免れるため巨額の弁護費用が使われたことを知らない」と指摘し、「困難な時代、人々は安直な話に流されてしまう」と嘆いた。 【時事通信社】 〔写真説明〕フィリピンのマルコス元上院議員=3月25日、北部ラオアグ(AFP時事)
    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.