乗客家族「きちんと説明を」＝運航会社、ようやく会見へ―知床観光船事故・北海道

　北海道・知床半島沖で観光船「ＫＡＺＵ　I（カズワン）」が遭難した事故で、運航会社「知床遊覧船」（斜里町）は発生５日目の２７日にようやく社長が記者会見する見通しとなった。乗客の家族らは「真実が分からない」とこれまでの対応を批判し、「きちんと説明を」と要望した。 　社長は２４日と２５日に１回ずつ、海上保安庁などによる家族への説明に同席。謝罪の言葉を述べたが、家族らからは「息子を帰せ」などと怒号が相次いだ。社長は２６日の説明会に姿を見せておらず、「準備をしているので待ってくれ」と話していたという。 　最初の説明会に出席した家族は「なぜこういう事故になったかという説明は何も聞かされていない。情報があまりに少な過ぎる」と憤る。 　こうした対応に、地元の観光ガイドの男性は「二度とこういうことが起きないために事実は知っておく必要があるし、遺族にも失礼だ」と指摘。斜里町のある町議は「道外から来ている家族もいる。社長自らが謝罪対応すべきだ」と話した。　 　馬場隆町長は２６日、これまで会見が開かれていないことに「とんでもないこと。しっかり説明するのが義務だ」と強い口調で話した。（了）【時事通信社】