辺野古住民の訴え却下＝埋め立て承認撤回めぐり―那覇地裁

　米軍普天間飛行場（沖縄県宜野湾市）の名護市辺野古移設をめぐり、国土交通相が県による埋め立て承認撤回を取り消す裁決をしたのは違法だとして、辺野古周辺住民１５人が国に裁決取り消しを求めた行政訴訟の判決が２６日、那覇地裁であった。福渡裕貴裁判長は、原告としての適格性がないとして訴えを却下した。 　原告側は、移設されれば騒音や事故などの被害が予想されるものの、米軍の運用を法的に規制する手段がないと訴えたが、福渡裁判長は「著しい被害を直接的に受ける恐れはない」と指摘。国交相の裁決の違法性については判断しなかった。 　原告団は判決後に記者会見し、「裁決の内容に踏み込まない判断で、不当だ」と抗議。控訴する考えを示した。　 　県は、埋め立て予定区域で軟弱地盤の存在が判明したことなどから１８年、埋め立て承認を撤回。国交相は１９年、防衛省による行政不服審査請求を受け、県の撤回を取り消す裁決をした。（了）【時事通信社】