元相談役に違法支払い１９億円＝京都新聞ＨＤ、第三者委が指摘

　京都新聞社を傘下に持つ京都新聞ホールディングス（ＨＤ）は２１日、同社が大株主の元相談役に対し、長年にわたり不適切な報酬を支払ったことなどが会社法違反に当たると第三者委員会から指摘を受けたと発表した。違法と指摘された支払いは３４年間で計約１９億円に上るという。 　同社は元相談役と支払いに関与した取締役への法的措置を検討するとしている。山本忠道社長（６１）は同日記者会見し、「高い公共性と文化的使命を担う立場にありながら、法令違反を長年にわたって放置してきたことは許されないことで、極めて重く受け止めている」と述べた。 　第三者委の報告書は、１９８７年６月から２０２１年３月に相談役に支払われた計約１６億４７００万円の報酬について「大株主の立場を超えて相談役として何らかの職務に従事したと評価するのは困難で、特定株主への利益供与に該当する」と指摘。元相談役の私邸の管理費用として約２億５９００万円を負担したことも違法と判断した。是正されなかった理由は「大株主である元相談役の処遇に触れること自体をタブー視する組織風土が役員間に醸成されていたと考えられる」とした。　（了）【時事通信社】