夫との会話、電話のみ＝戦時下のウクライナ大統領夫人―米ＣＮＮ

　米ＣＮＮテレビは１２日、ウクライナのゼレンスキー大統領のオレナ夫人とのインタビュー記事を公開した。夫人は「夫とは１カ月以上、電話でのやりとりしかない」と現在の避難生活の一端を明らかにした。 　インタビューはＣＮＮの著名記者アマンプール氏がメールで行った。夫人は「夫とそのチームは大統領府に住んでいる。危険があるので、私と子供がそこで暮らすことは禁じられている」と語った。 　戦時下でどう耐えているのかと質問されると「一本の張られたロープの上を歩いているようだ」と緊張を強いられている現状を説明。「どうしようと考えるとバランスを崩す。耐えるには、ただ前に進んで、やるべきことをやるだけだ」と答えた。 　夫に次ぐロシア軍の暗殺対象と報じられているが、夫人は「ウクライナ人全員が今やロシア軍の暗殺対象になっている。女性も子供も全員だ」と訴えた。 　避難先には１７歳の娘と９歳の息子が同行している。子供に戦争を説明しているか聞かれた夫人は「特別なことはせず、起きたことをすべて説明している」と回答。民間人虐殺が指摘される首都キーウ（キエフ）近郊ブチャの惨状も一緒に視聴しているが「大人と同じように状況を理解している」と語った。 　夫の大統領就任後、夫人は全国の子供の支援活動を続けてきた。学校での栄養補給など自身の長年の取り組みが、戦争によって「何年も数十年も押し戻されたように感じる」と嘆いた。　【時事通信社】 〔写真説明〕ウクライナのゼレンスキー大統領のオレナ夫人＝２０１９年１０月、ラトビアの首都リガ（ＡＦＰ時事）