廃材アートでウクライナ支援＝台湾出身芸術家が新作―ＮＹ

　【ニューヨーク時事】芸術創作活動で廃材の再利用に積極的に取り組む台湾出身アーティスト、林世宝さん（５９）の新作の一般公開が８日、ニューヨークで始まった。展示品の売上金の一部をウクライナ支援のために寄付する。 　林さんは２００５年の愛知万博で３０万本の使用済みペンを用い、凱旋（がいせん）門のような「智恵の門」を展示。今回の作品にも万物を生かし、円満さを表現して平和につなげる思いが込められている。 　再生アートで目を引くのは「ダイヤモンドの婚約指輪をイメージした」という作品。譲り受けた不要な窓枠を高熱で曲げて指輪の形に変え、名古屋芸術大で学んだ日本画の技術を応用し、金箔（きんぱく）をちりばめた。林さんは日本の寺で５年間生活しており、当時接した住職から万物を大事にする精神を自然と学んだという。 　林さんは「愛知万博では『ペンは剣より強い』との思いで、武器ではなく知恵を使ってほしいと考えた」と強調。「戦争が終わらない。平和に向けた新たな取り組みを急ぎたい」と力を込めた。　【時事通信社】 〔写真説明〕廃材を利用した指輪のアートと林世宝さん＝７日、ニューヨーク