豪州人記者、非公開で初公判＝「国家機密」理由に傍聴拒否―中国

　【北京時事】中国外務省の汪文斌副報道局長は３１日の記者会見で、「国家機密を違法に外国に提供した疑い」で昨年２月に中国で逮捕されたオーストラリア人記者の成蕾（チェン・レイ）氏に対する初公判が同日、北京市第２中級人民法院（地裁）で開かれたことを明らかにした。判決は後日言い渡されるという。 　豪州のフレッチャー駐中国大使が裁判を傍聴しようとしたが、拒否された。これについて汪氏は「刑事訴訟法など関連規定に基づき、国家機密に関わる案件は非公開で審理され、誰も傍聴できない」と、正当性を主張した。 　中国生まれのチェン氏は、子供の頃豪州に移住し、現在は２児の母。中国国営の英語放送局に勤めていた２０２０年８月に拘束された。中国では豪州国籍の作家、楊恒均氏も１９年８月にスパイ容疑で逮捕されており、新型コロナウイルスの起源調査などをきっかけにした豪中関係の悪化との関連が指摘されている。　【時事通信社】 〔写真説明〕オーストラリア人記者の成蕾氏＝豪外務省公表のビデオ映像から（ＡＦＰ時事）