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「せめて墓参りは」切実訴え=条約交渉中断、北方領土元島民ら


 ロシアのウクライナ侵攻が、北方領土問題にも暗い影を落とす。対ロ制裁への対抗措置として、ロシア側が一方的に平和条約締結交渉の中断を表明し、北方四島へのビザなし交流もストップした。元島民からは「怒りしかない」との声が上がる一方、「せめて墓参りは」という切実な訴えも聞かれる。  「外交的な報復は覚悟していたが、一方的な発表で怒りしかない」と語るのは、択捉島出身の松本侑三さん(80)。同島には祖父母の墓があるが、新型コロナウイルス流行の影響で交流事業が見送られ、2020年から訪れることができていないという。「墓参りは、私たちがこれだけふるさとを思っているんだと意思表示する返還運動の要。絶対に失いたくない」と語気を強める。  半世紀にわたり語り部として活動する色丹島出身の得能宏さん(88)は、これまで30回以上交流事業に参加してきた。島にはロシア人の友人もたくさんいるという。しかし、コロナ禍で直接会う機会はなくなった。得能さんは「コロナ禍に追い打ちを掛けるようで寂しい。本当はふるさとに毎年帰りたい」と心境を吐露する。  千島歯舞諸島居住者連盟によると、元島民の平均年齢は86歳を超え、高齢化が進む。  得能さんは「年齢的に焦りもある。コロナによる中断であれば期待を持って頑張れるが、政治的な停止だと気持ちが持たない」と肩を落とす。松本さんも「住みたいというわけではない。ただ行くだけでいい」と訴えた。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕北方領土の択捉島出身の松本侑三さん=23日、札幌市
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