乳児の一時保護継続「違法」＝大阪府に１００万円賠償命令―大阪地裁

　事故でけがをした乳児の一時保護を児童相談所が継続したのは違法として、３０代の母親が児相を所管する大阪府に５００万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が２４日、大阪地裁であった。山地修裁判長は「児童の毎日の成長を見守るという掛け替えのない時間が失われた」と述べ、府に１００万円の支払いを命じた。 　判決などによると、生後１カ月半だった長女は２０１８年冬、落下事故で後頭部を打って入院し、児相に保護された。原則２カ月以内の一時保護は延長され、解除までに一時保護から約８カ月かかった上、面会も約２カ月制限されていた。 　山地裁判長は、延長を認めた大阪家裁が、虐待の可能性を指摘する医師の鑑定に疑問を呈していたことを踏まえ、「児相は鑑定に安易に依拠した」と断じた。面会制限についても「事実上の強制によって実現された」として違法性を認めた。 　判決後に記者会見した母親は「やはり時間は取り戻せない。児相にはきちんと検証してほしい」と話した。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕児童相談所の一時保護をめぐる訴訟判決に先立ち、長女を抱いて取材に応じる３０代の母親＝１８日、大阪市北区