中国、米寄り尹氏を警戒＝バランス維持求める―韓国大統領選

　【北京時事】韓国大統領選で、米国との連携を重視する尹錫悦氏が当選したことを受け、中国メディアは警戒感を示している。共産党機関紙・環球時報電子版は１０日、尹氏が選挙中に対中強硬発言を繰り返したことが勝因の一つだとする呂超・遼寧大学教授の分析を紹介した。 　呂氏は、尹氏が外交政策を今後調整するとみて、選挙中に主張した在韓米軍への迎撃システム「高高度防衛ミサイル（ＴＨＡＡＤ）」追加配備の可能性は大きくないと指摘。一方で、米主導の対中包囲網に位置付けられる日米、オーストラリア、インド４カ国の連携枠組み「クアッド」に韓国が参加するかどうかは「注視する必要がある」と注意を喚起した。 　環球時報前編集長の胡錫進氏は１０日、ネット上で「尹氏の内心が親米嫌中でも、個人の好き嫌いを自制する必要がある」と主張。中国の北朝鮮への影響力や韓国経済の対中依存を挙げ「中米間でのバランス維持が（韓国には）必要だ」と訴えた。 　一方、中国外務省の趙立堅副報道局長は１０日の記者会見で、尹氏に祝意を表明。８月に迎える中韓国交正常化３０年に向け「韓国と共に努力し、国交３０周年を機に両国関係の健全で安定した発展を推進したい」と述べた。　【時事通信社】