外環道「全ての工事止めて」＝申立人の周辺住民

　「事業者は本当に反省し、全ての工事を止めて再検討してほしい」。東京外郭環状道路（外環道）の建設工事をめぐり、国や東日本高速道路（ＮＥＸＣＯ東日本）などに差し止めを申し立てた周辺住民が２８日、東京都内で記者会見した。一部の工事差し止めを認めた東京地裁決定に一定の評価を示しつつ、不満もあらわにした。 　調布市東つつじケ丘に住む丸山重威さん（８０）は「危険があるとようやく認めてくれた」と述べた。自宅の一軒家は陥没が起きた場所から直線距離で約３０メートルしか離れておらず、地下工事が始まってから外壁にひびが入るなどしたという。 　「私の家は危険だと認めてもらい工事が止まったが、そこに住めるかどうか」と不安も漏らした。「近隣で工事が始まれば地盤がぐらぐらになり、振動も騒音もひどいことになる」と訴えた。 　同市に住む国井さわ美さん（６６）は「うれしいのが半分、悲しいのが半分」と複雑な表情。「一部の差し止めが決まったが、（その他との）違いは陥没があったかないかだけ。シールド工法が安全という確約がない。住民は不安の日々を送らなければならない」と語った。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕東京地裁が外環道の一部工事差し止めを命じる仮処分決定を出したことを受け、記者会見する申立人の住民丸山重威さん（左）ら＝２８日午後、東京都千代田区