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ウクライナ侵攻は「パンドラの箱」


 【ワシントン時事】ロシアのプーチン大統領がウクライナへの派兵を決めた狙いは、同国の北大西洋条約機構(NATO)加盟阻止だが、真の目的は隣国を意のままにする「力」の誇示にあると見られている。軍事侵攻は冷戦後の平和原則を踏みにじるだけでなく、「世界中で『パンドラの箱』を開けてしまう」(ブリンケン米国務長官)危険を高めることも意味している。  旧東側陣営の盟主で、ロシアやウクライナなど15の共和国で構成されていた旧ソ連が消滅して約30年。1990年代後半に表舞台に登場したプーチン氏は、これまで「大国の復活」の野望を臆面もなく掲げてきた。  ただ、世界銀行によると、2020年のロシアの1人当たりの国内総生産(GDP)は約1万ドルで、20カ国・地域(G20)の中で13位と低迷。それでもプーチン氏が力による現状変更に挑むのは、冷戦後のルールに基づく秩序の形成を主導してきた欧米型の自由主義が立ち往生を見せているからにほかならない。  対テロ戦で疲弊した米国でオバマ大統領(当時)は13年9月、「米国は世界の警察官ではない」と表明した。トランプ前政権は「自国第一主義」を掲げて欧州との関係を弱め、社会をかつてないほど分断させた。  バイデン大統領が昨年12月に「民主主義サミット」を開催し、権威主義の中国やロシアとの対抗軸を打ち出したことは、欧米や日本が共有する民主的価値が普遍的な広がりを失い、相対化されたことを示している。欧米諸国が今回の危機を受けて調整してきた対ロシア制裁は、グローバル経済下では自らにも打撃を与える「もろ刃の剣」になり、合意形成の難しさを露呈させた。  仮に覇権主義的な中国が台湾侵攻という「パンドラの箱」を開けた時、中国経済と強く結びつく西側陣営は有効な対抗策を打ち出すことができるだろうか。  「これはロシアとウクライナを超える問題だ。人々が未来や自由を決定する権利、ある国が隣国の国境を武力で変更できないという原則のために立ち上がる」。バイデン氏が訴える世界の団結に、平和秩序の存亡が懸かっていると言っても過言ではない。 【時事通信社】
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