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EU、天然ガス調達に奔走=ウクライナ有事警戒、日本からも


 【ブリュッセル時事】ウクライナ情勢が緊迫する中、欧州連合(EU)が日本を含め世界各地からの天然ガス調達に奔走している。紛争が勃発し、EUが天然ガスの4割を依存するロシアからの供給が止まる事態になれば、在庫が不足する恐れがあるためだ。  「信頼できる供給元と常に協力し、自立しなくてはならない」。フォンデアライエン欧州委員長は7日、独メディア主催のイベントで脱ロシア依存の必要性を強調した。  ガス業界団体GIEによると、欧州の天然ガス在庫は1月末時点で貯蔵能力の約38%と前年同期の約52%から大幅に減少。新型コロナウイルス危機からの経済回復に伴う世界的な需要増が背景だが、EUはロシア国営企業ガスプロムがパイプラインによる欧州向けの供給を意図的に絞っているとみている。  エネルギー価格高騰にも苦しむ中、EUは「ガス供給を政治圧力の手段に使っている」(フォンデアライエン氏)とロシアへの不満を募らせる。  米欧は、ロシアがウクライナに侵攻すれば経済制裁を科す構え。だが、ロシアがガス供給停止で対抗するとの警戒感も根強い。ブリュッセルのシンクタンク、ブリューゲルは、仮に2月に供給が完全停止し、かつ冷え込みが厳しくなる最悪シナリオでは、在庫は3月末に底を突くと試算。EU内の不安は強まっている。  この状況を踏まえ、フォンデアライエン氏とバイデン米大統領は先月28日の共同声明で、天然ガス調達先多様化での協力を表明。米EUは今月7日にワシントンで閣僚級会合も開き、結束を確認した。  米国やカタールなどからの液化天然ガス(LNG)輸入拡大に加え、EUはトルコ経由でパイプラインがつながるアゼルバイジャンからの供給増も模索している。米欧の要請を受け、輸入国の日本も9日、欧州へのLNG融通を発表した。  ただ、ロシア分の全てを代替するのは困難とみられており、欧州では当面緊張が続きそうだ。 【時事通信社】 〔写真説明〕欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長=8日、ブリュッセル(AFP時事)
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