米、対中関税下げず＝合意履行に不満―バイデン大統領

　【ワシントン時事】バイデン米大統領は１９日の記者会見で、トランプ前政権下で発効した米中貿易交渉の第１段階合意について「中国が約束を果たしていると言えるまでに至っていない」と述べ、前政権時に導入された対中追加関税を引き下げる段階にないとの見方を示した。 　第１段階合意で中国は米国からの輸入を２０２１年末までの２年間で計２０００億ドル（約２３兆円）相当増やすと約束したが、目標を大きく下回った。バイデン氏は、今後の交渉方針や関税の扱いについて「米通商代表部（ＵＳＴＲ）代表が取り組んでいる」と指摘するにとどめた。 　一方、バイデン氏は、昨年１１月に行われた米中首脳によるオンライン会談で、新型コロナウイルスの発生起源をめぐる問題について「中国が正確に説明する義務があるとの考えを明確に伝えた」と語り、習近平国家主席に透明性を確保するよう求めたことを明らかにした。　【時事通信社】 〔写真説明〕バイデン米大統領＝１４日、ワシントン（ＥＰＡ時事）