カザフ前大統領が政界引退＝亡命や確執は否定

　【モスクワ時事】中央アジア・カザフスタンのナザルバエフ前大統領（８１）は１８日、国民向けにビデオ声明を出し、自らは既に年金生活者で「トカエフ大統領が全権を掌握している」と語り、政界からの完全引退を表明した。 　カザフで２２５人の死者を出した抗議デモに伴う混乱以降、ナザルバエフ氏が姿を見せたのは初めて。年明けから激化したデモでは、長年トップに君臨し２０１９年の大統領退任後も影響力を維持してきた同氏にも批判の矛先が向けられた。 　トカエフ大統領は混乱を収束させる中、ナザルバエフ氏の影響力を排除し、権力を強化。同氏の側近が拘束されたり、親族が要職から外されたりしている。 　ナザルバエフ氏は声明で、デモは「国家基盤の破壊が目的だった」とし、自らは首都ヌルスルタンにおり「どこにも行っていない」と主張。国内のエリート層の間に「衝突や対立はない」とも述べ、自身の国外亡命やトカエフ氏との確執を否定した。　【時事通信社】 〔写真説明〕カザフスタンのトカエフ大統領（左）とナザルバエフ前大統領＝２０１９年４月、ヌルスルタン（ＡＦＰ時事）