継承される美しい体操＝橋本、北園中心に―体操内村引退

　長年エースとして日本男子を引っ張ってきた内村が現役を退いても、追い求めてきた「美しい体操」を継承する選手は着実に育っている。 　２０歳の橋本大輝は東京五輪で個人総合と種目別鉄棒の２冠。内村にとって最後となった五輪で、エースの座を受け継ぐ形となった。競技最終日には「航平さんは何度もチャンピオンになって、僕はやっと１段目を上っただけ。体操のチャンピオンと言えば内村航平。それくらいにならないといけない」と自覚を語っていた。 　北園丈琉は中学生の時に参加した強化合宿で内村から助言を受けた。その後、五輪代表に上り詰め、１歳上の橋本とともに今後の中心となる存在。日本体操協会の水鳥寿思男子強化本部長は「東京五輪が延期となり、彼らは関わる時間も多かった。内村選手がやってきたことは引き継がれていく」と期待を込める。 　２０１８年の全日本選手権で内村の個人総合１１連覇を阻んだ谷川翔は東京五輪代表を逃し、パリ五輪へ雪辱を誓う。引退の報に触れ、「１１連覇を阻止した男としてプライドを持ってやる。超えるのは厳しいけど、少しでも近づけるように」と気持ちを入れていた。 　東京五輪の団体総合は内村が不在でも銀メダルをつかんだ。若い世代が日本の強さを世界に示していくはずだ。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕東京五輪の体操男子団体総合で銀メダルを手にする（右から）橋本大輝、萱和磨、北園丈琉、谷川航＝２０２１年７月２６日、東京・有明体操競技場