starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

NATO不拡大で対立=緊張緩和、道筋見えず―ウクライナ情勢・米ロ対話


 【ワシントン、モスクワ時事】米ロ高官は10日、2国間協議の枠組み「戦略的安定対話」をジュネーブで開催し、緊張が続くウクライナ情勢を話し合った。国境付近への軍部隊展開でウクライナに軍事圧力を強め、北大西洋条約機構(NATO)の東方不拡大の保証を求めるロシアの提案を米側は一蹴。米ロは対話を継続する見通しだが、緊張緩和への道筋は依然見えないままだ。  対話には、シャーマン米国務副長官とロシアのリャプコフ外務次官らが出席。協議は8時間近く続いた。シャーマン氏は「ビジネスライク(実務的)で率直な議論だった」と振り返り、リャプコフ氏も「プロフェッショナルで具体的だった」と評価した。双方が互いの要求や懸念を突き付けたもようだ。  冷戦終結後、旧ソ連の勢力圏だった東欧で次々と加盟国を拡大してきたNATOの動きに、ロシアは長年不信感を募らせてきた。ロシアのプーチン大統領が2014年のクリミア半島併合に続き、欧米に傾斜するウクライナへの軍事圧力を強める背景には、NATOのさらなる拡大を阻止する狙いがある。  ロシアは昨年12月、NATO不拡大などを確約させる条約案を米国に提示。今回の協議でも取り上げられたが、シャーマン氏は「議論にもならない」と退け、NATOの集団安全保障体制へのロシアの干渉を容認せず、欧州の同盟・友好国との協調を重視する姿勢を鮮明にした。  国際協調主義を掲げるバイデン米政権にとって、ウクライナ情勢は欧州の同盟・友好国への信頼が試される局面。米国がロシアの圧力に屈したと見られれば、中国の軍事侵攻の懸念が高まる台湾問題にも波及し、他地域でも同盟国の不信を招く恐れがある。  ただ、ウクライナ情勢に関して軍事的選択肢を排除するバイデン大統領が、ロシアの侵攻を食い止めることができるかは不透明だ。米側は欧州諸国と連携して大規模な経済制裁の準備を進め、侵攻すれば「重大な代償と結果を招く」(シャーマン氏)と再三にわたり警告。ロシア側に部隊撤収を求めている。  これに対してリャプコフ氏は、ロシア軍が活動するのは自国領内であって「緊張激化を恐れる理由がない」と語り、侵攻の意図を否定した。だが、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は10日、NBCテレビに「侵攻の脅威は現実だ」と指摘し、危機が依然として収まる気配がないことを強調する。  12日は「NATO・ロシア理事会」、13日には米ロや欧州諸国が加盟する欧州安保協力機構(OSCE)の会合が予定され、対ロ協議は続く。リャプコフ氏は、NATOに関する米国の立場について「われわれにとって絶対に必要なものが米国人にとって断固受け入れられないことがある」と述べ、米国は問題の深刻さを過小評価していると批判した。 【時事通信社】 〔写真説明〕10日、ジュネーブで「戦略的安定対話」に臨むシャーマン米国務副長官(左)とロシアのリャプコフ外務次官(AFP時事)
    Loading...
    アクセスランキング
    starthome_osusumegame_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.