らしさ取り戻して圧倒＝青森山田、「３冠」へ王手―高校サッカー

　青森山田は準々決勝までの３試合、相手の戦い方に合わせたサッカーをしてきた。対応力がある証しだが、「自分たちのサッカーを見失っていた」と黒田監督。らしさを取り戻し、旋風を起こしてきた高川学園に見せ場すらつくらせなかった。 　序盤から激しいプレスで押し込んだ。先制点は前半３分、得意のセットプレー。ＦＫで藤森がゴール前へ鋭く蹴り込み、名須川が頭でそらした。同２６分の左ＣＫでは、ゴール前の選手が近いサイドに動き、遠いサイドでフリーになった丸山が頭で決めた。キッカーを務めるなど３アシストの藤森は「ただ蹴るだけでなくつなぐ意識。その中で得たセットプレーでの得点は青森山田らしい」と胸を張った。 　４大会連続で決勝に進むのは、７日に死去した名将小嶺忠敏さんが国見（長崎）時代に成し遂げて以来。黒田監督は「時代を担うという責任を持って、今後につなげていければ。それが小嶺先生への感謝になる」と話した。 　あと１勝で、高校総体、高円宮杯Ｕ１８プレミアリーグ東地区に続く「３冠」。過去２年は決勝で涙をのんだ松木主将は「まだ何も成し遂げていない」。頂点だけを見据えた。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、先制ゴールを決める青森山田の名須川（手前右）＝８日、東京・国立競技場